名木継承の歴史黒松名ホ選

摘要

愛知県の名門、大樹園初代園主鈴木佐市民が盆栽界に排出した名木の一樹である。 ♀從咀羰忻瘠稀ⅳ饯欷蓼扦搐郡蔚赜颏墙U験的に行なわれていた「芽切り」を技法として確立し、現在の黒松隆盛の礎を築いた人物である。 盆栽樹種としては葉が長く大木感の表現が難しかった黒松は、昭和20年代頃まで乗揃いの美しさの点で五葉松に及ばず、松柏盆栽の中でも主要人気樹種とは言い難い扱いであった。 そうした現状を打破するために、三河里蔭の産地である愛知県の業者達、特に鈴木氏と丸新東華園加藤　 明氏が中心となって様々に研究が重ねられ、芽切りによって短乗の菜摘いを実現する技法を確立するに至った。 昭和30年代に入ると鈴木氏が手を入れた里転が国風展等に出品されるようになり、これをきっかけに里松ブームと称されるほどの人気を得たのは周知の事実である。