わが岡山のマスカット〔第23回〕-風土、人、技術－【岡山県農業試験場での研究（1）】

摘要

マカスット栽培に関する研究は，もちろん栽培家ばかりによって進められたものではない。 すでに何度も述べたように，昭和10年前後の施肥過多の指摘とその改善，さらには従来の人工的な栽培からマスカットの生理学的特性に適う栽培法への転換は，当時の岡山県農事試験場園芸部の大きな業績であった。 本連載の最後のシリーズとして，試験研究機関によって成されたマスカットについてのさまざまな研究を紹介する。 まず，岡山県農業試験場の創設から戦前，戦後を通じてのマスカット研究の内容，成果を紹介する。