【12】作州特産ナシの振興経過と現状

摘要

作州（美作の国）は，北に中国山地，南に吉備高原が広がり，その境界は東西に長い低地となって，勝山，落合，久世，津山などの盆地が形成された地域である。古来，山陽と山陰を結ぶ交通の要路として栄え，文化の伝達も早かった。 現在の行政区では，津山市を中心にして，東の勝央町，奈義町（勝田郡），美作市，西粟倉村（英田郡），南は美咲町と久米南町（久米郡），西は鏡野町（苫田郡），真庭市が作州の範囲である（図1）。 この地域は，中国山地に源を発する吉井川，旭川の本支流が広大な山林の各所を流れ，河川流域に切り開かれた狭い平地を構成している。 津山盆地の中心部に位置する津山市でも，市の総面積（50，636ha）の内，36，648ha（72．4％）を林野が占める。