ァカヒゲホソミドリカスミカメ発生予察技術開発の背景

摘要

水稲の籾を吸汁し「斑点米」を発生させる斑点米カメ ムシ類は，水稲の重要害虫である。現在，全国的に重要 である種は，カスミカメムシ科のァカヒゲホソミドリ力スミカメTrigonotylmcaelestialium (Kimalay) (口絵CD)， ァカスンカスミカメ Stmotusrubrovittatus(Matsumura)， ホソヘリカメムシ科のクモヘリカメムシLeptocorisa chinensis Dallasの3種で，ァカヒゲホソミドリカスミカ メは，特に北海道，東北，北陸地域における最重要種で ある。斑点米カメムシ類の防除においては農薬への依存 度が高く，その発生量の多少にかかわらず，水稲の出穂 期以降に1-2回の農薬散布が，予防的かつ画一的に行 われているのが現状である。適正な農薬使用を進めるた めには，成幼虫の発生量に応じた農薬使用の要否，回数 を判断できる発生予察技術が必要であり，その開発は急 務である。そこで，ァカヒゲホソミドリカスミカメ合成 性フエロモン剤を誘引源としたトラップを活用し，発生 予察技術を開発するための研究を展開した。