平成18年度新農薬実用化試験で注目された病害虫防除薬剤

摘要

平成18年度の新農薬実用化試験については，10月19～20日の茶試験成績検討会を皮切りに，稲、野菜関係の地域成績検討会並びに総合判定会議，果樹等試験成績検討会，生物農薬試験成績検討会など順次開催され，依頼された薬剤の各種病害虫に対する効果や薬害，使用方法の検討が行われた。 ここでは，平成18年度に依頼された試験の中で，注目された薬剤並びにその傾向について紹介する。 本年度依頼された試験薬剤は226剤（生物農薬を除く）であった。 これら薬剤についてそれぞれ複数の作物，病害に対し延べ2，137件の試験が公的試験研究機関などで実施された。 成分が新規化合物単剤もしくは新規化合物同士の混合剤である製剤は35剤（15．5％），新規化合物と既知化合物の混合剤は19剤（8．4％）であり，例年と比べ増加した（図－1）。 全体の試験件数を見ると昨年度に比べおよそ1割強の増加となったが，これは別項で述べる稲，野菜分野で新規化合物が登場したことが大きく影響している。