藻類学ワークショップI「藻類観察の技術講習 －電子顕微鏡（免疫電顕法、ホールマウント法），蛍光顕微鏡（FISH法）－」に参加して

摘要

日本藻類学会第33回大会初日の2009年3月26日午前に，藻類学ワークショップI「藻類観察の技術講習一電子顕微鏡（免疫電顕法、ホールマウント法），蛍光顕微鏡（FISH法）－」が開催されました。本ワークショップでは，甲南大学の本多大輔先生，北海道大学の長里千香子先生，神戸大学の田辺祥子先生の3人の先生方が各顕微鏡技術を，基礎からわかるように講義してくださいました。　会場は口頭発表やポスター発表が行われた法文学部ではなく，理学部棟でした。受講者は25名はどで，学生から大学の先生に至るまで幅広い層の方々が参加されていました。本多先生は，透過型電子顕微鏡で細胞表面の装飾構造を詳細に観察する「電子顕微鏡ホールマウント法」について講義ざれました。光学顕微鏡のスライドグラスに相当するグリッド上には，細胞を載せるための支持膜を張らなくてはなりません。先生はメスシリンダーにべットボトルや針金を組み合わせた手作りのホルムバール膜作製装置を用いていました。これはホルムバール液に浸したスライドグラスを針金で引き上げるというシンプルなものでしたが，コツを掴んでしまえば市販のものよりもかえって使い勝手が良いように思いました。先生の講義からは，ホールマウント法の具体的実験方法はもちろんのこと，身近なものを工夫して実験に用いる発想力の大切さを学びました。