広島県における畦畔管理の現状と地被植物を活用した植生管理

摘要

広島県の中山間地域では棚田が多く，耕地面積に占める畦畔面積の割合が非常に大きい。 圃場整備に伴う作業の効率化や機械の高性能化，農薬散布の省力化等により，耕起や移植，防除, 収穫といった本田作業の省力化が進む一方，畦畔雑草の約9割が依然として刈払機によって除草されており，畦畔植生管理に関わる労働負担の割合は逆に高くなっている。 このことは，経営規模の拡大を進めるうえで大きな障害となる。 さらに現在，急傾斜地における圃場整備が進み，高さ10mを越す巨大な法面をもつ畦畔が増えてぉり，従来の刈払いによる植生管理はきわめて困難となっている。 このため，農業現場からは畦畔植生管理の省力化を目的とする新たな技術開発に対する要望が強い。