メバチ資源の現況と国際研究計画

摘要

メパテ資源は長年にわたってはえ縄による漁業が行なわれてきており，漁獲の中心は主として大型魚であった。 主な漁場は東部熱帯太平洋，続いて大西洋，インド洋の順であり，水域を見ても分かる通り漁獲は遠洋まぐろはえ縄船によるものであった。 余談ではあるが我が国の漁業対象種のうち，単一層としての生産額は紛れもなく第一位を占め，平成4，5年には連続して1700億円を越えている。当時の漁業総塵産額が2兆5000億円，そしてまぐろ，かじき，かつお類のそれが3100億程度であるので，それぞれに占める割合は6％強および54％になる。 また，まぐろと言えばすぐにクロマグロやミナミマグロを頭に思い浮かべる人が多いと思うが，実際の生産金額は両種合わせても最高で800億円にしか過ぎずメパテの半分以下である。 メパテが如何に重要な魚種であるかが分かって頂けると思う。 話を元に戻すと，メバチは他のまぐろ類と違ってその漁獲がほとんどほえ縄漁業によっており，表層漁業（まき網や竿釣り）による漁獲が少ないという特徴があった。これはメパテが小型のうちは他のまぐろ類であるキハダやカツオと混合して群を作り，ある程度漁獲の対象となるが，更に成長すると表層近くを遊泳せず，表層漁業の漁獲対象とならないためである。従って，資源問題もはえ縄漁業がどれだけ大型魚（成魚）を減らしているかといった点が焦点となっていた。 事実，大西洋まぐろ類保存委貞会（ICCAT）がメパテの小型魚規制を1980年から実施していたが，これはキハダの小型魚規制を遵守させるため（魚種の付け替えを許さをい）のもので，特にメパテの小型魚漁獲を規制しようという意図で開始されたものではなかった。