サツマィモ斑紋モザイクウィルス強毒系統（SPFMV-S)外被タンパク質（CP)遺伝 子を導入した組換えサッマイモ系統'EP200'および'EP220'の閉鎖系および非閉 鎖系における生物多様性影響評価

摘要

植物の組換えDNA関連技術の発達により，作物の改 良にこれまで利用が困難であった生物種（動物や細菌） の遺伝子を利用することが可能になってきた.このよう な外来遺伝子を導入した作物は，これまでの育種技術で 作出される作物と異なる形質、特性を持ち，他の生物や 環境に対し従来の作物とは異なる影響を与える可能性が 考えられることから，遺伝子組換え体の特性と生態系に 与える影響との関係について，慎重に評価することが求 められている.わが国では，遺伝子組換え作物を一般圃 場で栽培するためには，「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律（カルタへ ナ法）」に基づいた生物多様性への影響評価が必須であ る.カルタヘナ法に基づく遺伝子組換え生物の使用によ る生物多様性への影響評価は，具体的には生物多様性影 響評価実施要領等に基づき，競合における優位性，有害物質の産生性，交雑性等の項目について科学的データに 基づいた評価を行い，生物多様性影響の有無を判断することとなっている.