最古の後生生物徳化石の正体は：卵？胚？細菌？

摘要

地球上に生物が誕生し，原核微生物，真核生物，そして植物や動物が誕生して，カンブリア紀のはじめに動物は爆発的に進化しました。 しかしながら，これまでのところ動物が誕生した時期は特定されていません。 現在，最古の後生動物化石とされている微化石は，約6億年前の地層から発見されていますが，これらの微化石が後生動物であるという確証はありません。 微化石の一部は，巨大な硫黄酸化細菌であるかもしれないのです。 約6億年前の中国南部の地層（Doushantuo層）からは，細菌∴菜粗　 アリクテルクをはじめとした様々な形態の微化石が産出します。 微化石は，ブドウの房状，サッカーボール状，外膜桟橋造につつまれた球状のものなど，細胞の形態をしており，特に鞘状の膜につつまれた微化石では，全体の大きさがほぼ同じであるもののうち，外膜様構造の内部に1，2，4，8，さらに100を超える細胞様の構造が含まれているものがあります。 この構造は卵割（等割）のように見えること，またその大きさが直径300～500 mu mと大きいこと，鞘状の外膜様構造が受精膜のように見えることから，これらは後生動物の卵と胚として報告され1），現在知られている最も古い後生動物であると考えられています。この時代は，原生代後期のカンブリア生物大爆発の直前にあたり，これらの微化石は，カンブリア紀生物大爆発に向けた後生動物の出現と進化という点から大きな注目を集めています。