メダカの生物学研究最前線

摘要

私がメダカの研究に初めて参加したのは，1970年代後半に江上信雄先生がメダカ化学発癌研究を始められたときであった．そこでは，化学発癌剤（DEN）で処理したメダカの肝臓細胞が増殖する過程を，DNA顕微蛍光測光法で解析する研究課題を分担させていただいた．その後は，魚類培養細胞を使ったDNA修復の研究に熱中し，メダカそのものからは遠ざかっていた．しかし，1985年に江上先生の後任として東京大学理学部でメダカ野生集団系統保存事業の責任を負うに至り，メダカと再会することになった．