各種散布薬剤に対するシルバーリーフコナジラミの感受性（シルバーリーフコナジラミの薬剤感受性）

摘要

1988年頃に発生が確認されたシルバーリーフコナジラミは，トマト，キュウリ，ポインセチアなどの重要害虫となった．本研究では，本種の薬剤感受性検定法を開発し，25種類の散布薬剤に対する本種の幼虫と成虫の薬剤感受性を明らかにし，有効薬剤のLC_(50)値を示した．1．キャベツ葉を水挿しして発根させる方法によって，1ヶ月以上健全葉を維持することが可能で，飼育および薬剤試験に利用できた．2．成虫と幼虫の両ステージに効果のある薬剤は，ビリミホスメチル乳剤，エトフェンブロックス乳剤，アセタミプリド水溶剤，ニテンビラム水溶剤，イミグクロブリド水和剤，ビリダベンフロアブル，キノキサリン系水和剤であった．3．幼虫のみに効果のある薬剤は，DMTP乳剤，プロチオホス乳剤，フルフユノクスロン乳剤，ブプロフェジン水和剤，クロルフルアズロン乳剤，テフルベンズロン乳剤，ミルベメクテン乳剤であった．IGR系の4剤は成虫には効果がなかったが，その成虫が産下した卵はふ化しないか，ふ化してもそれ以後の発育はなかった．4．合成ビレスロイド剤と有機リン剤は単独では効果のない剤が多かった．しかし，両薬剤を混用すると，高い協力作用が認められた．