3歳児並みに単語を理解するイヌ

摘要

今年6月，『サイエンス』に人間のことばがわかるイヌについての報告が掲載され，研究者を驚かせた1）．実験を行なったのは，ユリアーヌ.カミンスキーら，ドイツのマックス.プランク研究所のグループである．この賢いイヌは，リコ（Rico）という名前の9歳になるオスのボーダーコリーで，生後10カ月から，飼い主が言うものを持ってくるようしつけられた．飼い主によれば，リコは250ほどの単語がわかるという．実験ではまず，リコが理解しているとされる品目の200語の中から，ランダムに10品目ずつを1セットにして20セットを用意した．部屋の床の上に1セット10品目を並べておき，ここにリコを招き入れる．隣りの部屋から飼い主（リコには姿が見えない）が2品目（これは実験者がランダムに選んだ）を順々に口頭で言い，それをリコに持ってこさせた．その結果，リコは40品目（2品目×20セット）中37品目で正解した（正解率92．5％）．これは驚くべき成績である．この実験の実験場面の映は，http：//www．sciencemag．org／cgi／content／full／304／5677／1682／DClで見ることができる．