野蚕等の絹糸腺で発現している遺伝子の解析

摘要

糸（シルク）を出す生物は驚くほどたくさんいます。 その中の横綱格が、繭を作るカイコや野蚕と、多種類の糸を自在に操るクモと言えますが、他にも、多くの昆虫、例えばスズメバチ、ツムギアリ、オドリバエ、クサカグロウ、トビケラ、カマキリ、ハネナシコロギス、ブタクサハムシ、ガムシ、ハネカクシ、シロアリモドキ、アリヅカムシの仲間などが糸を出して、餌を捕ったり、身を守ったり、移動に使ったり、精液を蓄、えるのに用いたりして、巧みに環境に適応しています。最近では、あるガの幼虫が餌を捕まえるのに糸を使っていることが初めてわかりました。 ハワイにいるカザリバガ科のガの幼虫は糸を使ってカタツムリを動けなくしてから食べるそうです。昆虫ヤクモ以外にもフジツボなどの甲殻類やイガイなどの月の仲間も接着糸を出して体を固定しています。