無農薬栽培コヤツナの害虫に対する防草用シートと天敵バンカー法の効果

摘要

中山間地域でのアブラナ科野菜の減農薬生産においては多様な害虫が問題となる。 このため、特に、有機JAS認証等農薬使用に制限のある栽培では、化学合成農薬に代わる害虫対策が求められている。 私たちは、京都府の山間部でコマツナの無農薬周年栽培を5年以上続けてきた雨よけハウスにおいて、各種害虫の発生を4年間にわたって調査してきた。この圃場では、長繊維不織布のじかがけを実施していたが、夏にはキスジノミハムシ、秋にはダイコンサルハムシ、冬にはヤサイゾウムシが発生し、甚大な被害をもたらしていた。 また、春と秋にはニセダイコンアブラムシを中心としたアブラムシ類が発生した（詳しくは、長坂、熊倉，2004を参照）。 これらへの対策として、防草用シートと天敵バンカー法を検討した。