クリフトモス培地を利用したイチゴの高設栽培における閉鎖型養液管理システム

摘要

イチゴ生産においては、作業環境の改善を目的として養液栽培を主とする高設栽培が導入されているが、生産性や設置コストの面で課題が多く、低コスト、高生産性システムの開発が望まれている。 また、環境保全の側面からは、廃液の処理や使用済み培地の処分などが課題とされ、完全な閉鎖型養液管理システムの開発が望まれるが、実用化は進んでいない。 このような状況から、クリプトモス（杉皮を主とした有機質培地）を利用した高設式毒液栽培システムを開発し、平成10年度から現地への普及を図った（栽培戸数8戸、栽培面積約1.2ha）。 このシステムは、栽培ベッドの構築が簡易で比較的安価であり、生産性も良好であるが、養液管理がかけ流し式であるため余剰廃液処理が課題となっている。 そこで、このシステムを基本とした、非循環式による閉鎖型養液管理システムの開発を行った。