炭化綿フィルターで活魚輸送中のアンモ二アを効率よく除去

摘要

主成分をセルロースとする「炭化綿」は、その吸着性の特性を生かし、さまざまな分野に利用可能と言われている。 ここでは、「炭化綿」によるフィルターを用いた活魚輸送を紹介する。 炭化綿フィルターによって、活魚輸送中に生じる有害物質がどの程度除去されるのだろうか。 日本の活魚輸送の主体をなすのは活魚輸送車である。 トラックの荷台に水槽を持ち、魚を籠などに入れてできるだけ多く運ぶような工夫がなされている。 温度、通気は比較的良く管理されているが、魚の排泄物に対する浄化に関してはほとんど対応がなされていないのが現状である。 当研究室で開発した高機能繊維である炭化綿は、気相のみならず液相の吸着にも優れた素材である。 炭化綿を活魚車の水循環システムに挿入することにより、魚の排泄するアンモ二アが効率良く除かれることを確認し、これが活魚車一般に利用できる可能性を見い出した。