ルメンシン~R(モネンシン製剤)について一効果と安全性を中心に一第3回「ルメンシン~R」の期待できる効果について

摘要

前号では、「ルメンシン200」(以下、ルメンシン)の有効成分モネンシンナトリウム(以下、モネンシン)の特長について、作用機序を中心にご紹介しました。天然物質由来のモネンシンは、タ—ゲットであるル—メン内細菌のイオンバランスを崩します。モネンシンは主としてグラム陽性菌に作用し、Hネルギ—切れを起こさせてその増殖を抑制しますが、一方で膜構造の異なるグラム陰性菌には作用しないため、ル—メン内はグラム陰性菌優位の環境になります。ル—メン内のグラム陽性菌は主に酢酸.酪酸,乳酸.メタンを産生し、一方、グラム陰性菌は主にプロピオン酸を産生します。ルメンシン存在下のグラム陰性菌優勢のル—メン内環境においては、プロピオン酸の産生量が増加し、乳酸.メタンの産生量は減少します。その結果として、飼料のエネルギ—効率の改善が促進され、またル—メン内^の過剰低下(ル—メンァシド—シス)を抑制することが期待されます。