良質な牛凍結精液の供給に 向けた取り組み

摘要

私は平成4年度に家畜人工授精師講習会を受講し、家畜人工授精師の資格を取得しました。その後、平成7年4月に、主に試験牛の管理や試験研究の補助を行う研究技能員として山形県に採用され、山形県立畜産試験場(現山形県農業総合研究センター畜産試験場)に配属、平成14年度より種雄牛の精液採取(採精)業務を、平成21年度からは精液の処理、凍結業務も併せて行っています。今回、山形県の種雄牛の状況、採精、処理.凍結業務の手法などを紹介させていただきます。また、私が凍結処理業務に携わるようになつてから、より受胎性の高い良質な凍結精液を生産するため、頻繁に精子活力検査、特に精子活力が+ + + (運動が激烈で、最活発な前進運動を行うもの)の割合の確認を実施するようにしました。その結果、これまで行ってきた採精業務の中にも精子活力に影響を及ぼす要因があるのではないかと考え、採精および凍結処理時に、各種雄牛ごとにデ—タを記録するようにしました。このデ—タを精子活力+ + +の割合などと比較してみたところ、各種雄牛の最適採精条件が判明し、採精方法ゃ処理条件などの変更を行うことで精子活力+++の割合が向上した凍結精液の供給ができるようになりました。