養豚在めぐる技術の進化

摘要

昭和四十年からわが国の養豚は本格的な養豚業として急速な発展をとげ、技術も格段に進化をとげています。その中でも、いくつかの視点で養豚技術の進化を考えてみました。近代養豚以前のわが国で飼養されてきた品種は中ョ—タシャーとバータシャ1でした。ランドレ—ス、ハンプシャーなどの大型種が導入されたのは昭和三十六年ごろであり、四十年代に入り大ョータシャ—を加えた大型種の普及が進みました。その後、多頭飼育農家が増えるにしたがい、二元あるいは三元雑種利用が盛んになり、現在のようなランドレ—スに大ョ—クシャを交配するL Wが主体となっていきます。当時は雄系には発育が良く、飼料効率が良く、赤肉が多いハンプシャ—が主に飼養されました。海外から導入された当初の大型種はばらつきが大きく、種豚改良のため昭和四十四年度から豚産肉能力検定が開始され、同年に豚の系統造成が始まりました。こうした小規模での閉鎖群改良方式により、国や都道府県の試験研究機関で遺伝的能力の高い、斉一性の高い集団が数多く育種造成されました。