II.飼料用稲品種現状と新品種開発の方向 ～稲発酵粗飼料用品種と飼料用米品種について～

摘要

飼料に使われる稲品種が育成されて数年経ち、北海道から九州まで様々なタイプの品種が育成されています。一般食用品種との違いや、飼料用品種の種類を説明し、現状の飼料用品種の特性と今後の品種育成について紹介します。　飼料用品種は地上部全量が重く、籾が多い　と同時に倒伏しにくいものを選抜して育成しています。飼料用品種は一般食用品種より収量性に優れています。　食用米は検査等級（玄米外観品質）により価格が大きく違うため、玄米の外観品質が良質であることが重要な特性です。飼料用米の場合には外観品質は重要な特性ではなく、外観品質の改良もあまり行われていません。逆に、食用米との混入を防ぐ意味で、粒大の違いや外観品質が劣ることが利点となります。