食肉への放射線照射技術の現状

摘要

近年、世界中で多くの食中毒の発生がみられている。 コールドチェーンなどの衛生管理体制が整っていると考えられてきた我が国や欧米先進諸国においても、食中毒の発生件数が急増している。 米国の例を挙げると、米国内で整備されつつある“Food Net”モニタリングシステムによる調査では、毎年、約7，600万人がなんらかの食中毒に感染したと推定され、その内の325，000人が入院、5，000人が死亡している。 そして、治療費などの被害額は年に66億から371億USドルにおよぶと推定されている。 我が国においても、1996年に大阪府の堺地域で数千人の感染者を出した病原性大腸菌0－157株をはじめ、最近でも、黄色ブドウ球菌による牛乳汚染やサルモネラ菌による生卵が原図の大親授な食中毒が額発している二　 このことは、食品の安全性確保のために、先進諸国で周いられてきた食品衛生管理システムや食品殺菌法だけでは、食品の安全性確保に不安があることを示すものである。 そして、適切なHACCP（Hazard Analysis and Critical ControI Point System，）を構築するためにも、食品加工において、よ町効果的殺菌法の開発が求められている。