家畜排せつ物を取り巻く現状と今後の対応 正な管理と利用促進に向け取り組み強化へ

摘要

全国で1年間に発生する家畜排せつ物の量は、約8800万t (平成21年2月）と推計され る。畜産業から産出される家畜排せつ物は、 肥料三要素、微量要素、有機物等を多く含ん でいることから、従来から、大切な資源とし て、農作物や飼料作物の生産に有効に利用さ れてきた。しかしながら、畜産経営の大規模 化の進行と、高齢ィヒに伴うたい肥の散布労力 の低下により、家畜排せつ物の資源としての 利用が困難になりつつあった。同時に全国的 にいわゆる「野積み」や「素掘り」をはじめと する家畜排せつ物の不適切な管理がみられる ようになり、家畜排せつ物の管理のあり方を めぐり、畜産農家と地域住民との間で問題と なる事例が見受けられるようになった。