河川敷自給粗飼料を活用した酪農就農5年の軌跡--福岡県直方市、松野牧場--

摘要

松野牧場がある直方市は北九州市に接し、福地山麓を背に遠賀川と英彦山川が流れる緑豊かなところである。農業では稲作、施設園芸が盛んで、酪農家戸数は5戸。この2つの川の河川敷が松野さんの経営にとって重要な役割を果たしている。　昭和39年に現在の経営主である松野竜大さんの祖父が北九州市より移転し、もとよりあった農事組合法人楠木酪農生産組合を引き継ぐ形で、直方での酪農経営が始まり、それと同時に父が就農した。その後、昭和63年に公社事業で丘陵地を造成し80頭つなぎ搾乳牛舎を建設。松野さんは、平成10年に宮崎大学農学部獣医学科を卒業し獣医師資格を取得、当時の福岡県酪農業協同組合連合会　久留米地区乳牛診療人工授精所に就職した。5年間診療授精業務を行い退職、平成15年4月に就農、現在は、経産牛79頭、育成牛33頭、繁殖和牛経産牛120頭、育成牛40頭を飼育している。