高病原性鳥インフルエンザと 野鳥との関わり

摘要

2010-2011年シーズンのわが国における高病 原性鳥インフルエンザの流行は2004年および 2007年に続く国内3度目の流行であった。本 流行における最終的な処分羽数はおよそ183万 羽に上り、わが国で過去最大の流行となった。 研究者の中には3年おき発生説を考えている人 もいるようだ力5'、そこに確かな科学的根拠は見 つかっていない。将来を正しく予測するために は、前回の発生において、いかなるルートでゥ ィルスが国内に侵入し、どのようにして大流行 に繋がったのか、それらを明らかにしなければ ならない。そこで、本稿では今一度、前回の国内発生事例を高病原性鳥インフルエンザと野 鳥との関わりという観点から再考してみたい。