分別処理方式による搾乳関連排水の低コス卜浄化技術

摘要

北海道では、大部分の酪農場が草地および飼 料畑を所有しており、乳牛ふん尿を肥料として還 元する循環型酪農を行っている。このため、搾 乳関連排水に対しても草地等への還元という選 択肢がある。しかし、地方独立行政法人北海 道立総合研究機構根釧農業試験場（以下、根 釧農試）では、肥料成分の希薄な搾乳関連排 水に対して、浄化処理を行うという方向を選択 した。これは、排出時に簡易な管理をすること で還元時の作業量を増加させることよりも、排 出時に適切な処理を行うことで後々の負担を軽 減させる方が北海道酪農には有利であると考え たからである。また、浄化処理に対しても、水 質汚濁防止法で定められている排出基準をクリ ァしつつ、浄化施設の建設費等のイニシャルコ スト、電気代などのランニングコスト、機器交 換等の維持管理コストについても低コスト化が 可能であると確信していたことも重要な要因だつ た。このため、平成11年度以降、断続的に搾 乳関連排水の浄化処理の研究を行い、ミルキン グパーラから排出される搾乳関連排水に対する 低コスト浄化施設の開発を行った。