冬季放牧用凍結防止水槽の開発

摘要

長野県北佐久郡御代田町にある畜産草地研究所山地畜産研究部では、耕作放棄地を利用した肉用繁殖午の放牧に関する研究を10年近く続けている。 住宅から遠い、あるいは傾斜地などで条件がよくない多くの田畑は、農業従事者が高齢化していることもあり、耕作が放棄されて野草地化している。 農地の野草地化により、①近隣農地の雑草の増加、（彰害虫の増加、（彰イノシシやキツネなどによる獣害の発生、④ごみの不法投棄、（9景観風通しの悪化、など多くの問題が生じ、全国的に社会問題となっている。 この間題解決のために、耕作放棄地に電気牧柵をめぐらせ、肉用繁殖牛を放牧して、そのままの野草地として、あるいは牧草地化して利用する技術が開発された（写真1）。 耕作放棄地を放牧地に使用すると、一カ所の牧区の面積が小さいので、少数の牛を複数の牧区間で移動させて放牧するため、「小規模移動放牧」とよんでいる。御代田町付近での放牧期間は、普通5月から10月末である。