自給率向上対策にかかわる肉用牛飼養の実態一未利用資源を活用した取り組み事例－

摘要

長野県小諸市では、平成17年度に県の補助事業である「草資源放牧活用支援事業」を活用した耕作放棄地へ牛を放牧する試みを実施した。 小諸市は、標高679mで浅間山の南斜面に広がり、市の中央部を千曲川が流れる高原都市であり、放牧は糠地地区で行われた。放牧を実施することになったのは、長年にわたり耕作されなくなった土地で雑草などが繁茂し荒れ放題になっていた上に、近年は山から降りてきたイノシシの出没も多くなり収穫間近の農作物が被害に遭うことが多くなってきた。 このことから放牧を実施し、雑草の処理とイノシシを追い払い、農地をよみがえらせるとともに、肉用牛の飼養管理の軽減につながることを期待して実施された。