スルファモノメトキシン、オルメトプリム合剤およびァモキシリンの飲水希釈液および飼料添加餌を哨乳子豚に給与した飲水および飼料の摂取量と薬剤血中濃度

摘要

哺乳子豚の垂直感染を予防する技術の確立は，哺乳期間における母豚および環境からの水平感染の機会を著しく少なくすることが可能となり，哺乳子豚の初期における発育速度が著しく早くなって肉豚の出荷までに要する日数を短縮できることから養豚経営にとって重要である。この技術は，抗菌製剤を水に溶解して新生時から晴乳子豚に自由に飲水させる飲水投与法が省力的であり経済的な利点があるものと考えられるが実用化されていない。 その理由としては，哺乳子豚が母乳を摂取しながら自由に水を飲むことが観察されていたにもかかわらず，哺乳中の子豚への飲水の給与が重要視されていなかったことから哺乳子豚の飲水量が不明であり，薬剤の飲水投与濃度を算定する根拠がなかったためである。 一方，著者らは，哺乳子豚の飲水量調査を行い，哺乳子豚は1日齢から水を飲み始め，28日齢までに総量約6，200mほ摂水し，kg当たりの飲水量と1日投薬必要量から，飲水に溶解する薬剤の濃度は一定でよいことが示唆された。また，著者は，哺乳子豚に給与する飲水に混合希釈する薬剤濃度の算定をスルファモノメトキシン、オルメトプリム合剤（SO）およびアモキシリン（AMPC）を参考薬剤にして，哺乳子豚のkg当たり飲水量および使用承認された薬剤の1日投与量を基に解析した。 この結果，哺乳子豚の飲水量に適合するSOおよびAMPCの飲水希釈濃度は，0．2％でよいことが明らかとなった。