「谷ごと放牧」から「おおいた型放牧」へ －野草地、林間と改良草地との輪換放牧の推進－

摘要

古くから、本県では入会地等を活用した林地や原野での放牧や採草が行われてきたが、昭和47年から始まった広域農業開発事業により、阿蘇、久住、飯田高原に連なる一帯が近代的な共同利用牧場に生まれ変わり、現在に至っている。 そのため、畜産農家をはじめ、技術者の間でも放牧は広大な改良草地で行うイメージが定着していた。 そのような状況の中、山口県や島根県で広がりを見せていた水田放牧、棚田放牧を視察した農家や関係機関の職員に、あの放牧ならわれわれの地域にも導入できるのではとの意識がめばえ、現在では竹田市の「谷ごと放牧」に代表される棚田や休耕地を活用した小規模な放牧地が本県でも徐々に普及しつつある。