採卵養鶏における開放横型ロータリー撹拌式発酵槽を用いた鶏糞処理の方法について

摘要

鶏卵生産の現場において鶏糞処理は，極めて重要 な問題である。健全な養鶏経営を行う場合，新農業 基本法(食料,農業,農村基本法)を受けて平成11年(1999)に成立した農業関係の環境三法案，すなわち 「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する 法律(持続農業法)」，「家畜排せつ物の管理の適正 化及び利用の促進に関する法律(家畜排せつ物法)」 ならびに「肥料取締法の一部を改正する法律（改正 肥料取締法）」にしたがって，適正な鶏糞処理を行つ ていく必要がある。こうした法律に則った畜産経営 における家畜排泄物の堆肥化処理は，堆積方^:と撹 拌方式に大別される2)。堆積方式はさらに細かく分 類されるが，代表的なものが堆肥舎における家畜糞 の堆肥化処理である。堆肥舎では，モミガラなどを 加えて水分調整を行いながら家畜糞を随時堆積し ていき15)，時折ショベルローダーなどで切り返して, 家畜糞に含有される有機物をさまざまな微生物を 介して好気的に，あるいは嫌気的に発酵分解してい く 3)。一方，撹拌方式は開放型と密閉型に二分され るが，本報告では，採卵養鶏場に導入された開放横 型ロータリー撹拌式の直線型堆肥化装置（開放横型ロータリー撹拌式発酵槽）について詳述していくこ とにする。若干古い資料になるが1Q)，全国2,326 の畜産施設における家畜糞の堆肥化処理方法を見 てみると，一番多いのが堆肥舎によるもので，2000 年当時で全体の50. 9%を占めていた。次いで，普及 していたのはロー タリ一撹拌機を備えた発酵槽で あり，その割合は23. 3%となっている。堆肥舎は，