家畜の温熱環境生理学（7)一その内容と家畜管理学における役割一

摘要

心拍数の変化を理解するには，循環機能の中心的 役割を担う心臓機能の調整や調節の機構，体温調節, 呼吸機能，エネルギー代謝などとの関係を正しく把 握しておかなければならない。心拍数を調節する主な機序は，神経性調節として， 心拍数を増加させ心臓の収縮性を高め血液循環量 を増大させる心臓交感神経と，心拍数を減少させる などこれらに拮抗した機能を誘導する心臓副交感 神経（=迷走神経）がある。また，心拍数を含めた 循環機能には，この他に頸動脈にある圧受容器を介 した循環中枢め調整と調節，血液中の力テコラミン (ァドレナリンとノルァドレナリン），各種ホルモン (抗利尿ホルモン，甲状腺ホルモンなど）,代謝物質 (揮発性脂肪酸類，糖，ミネラルなど）による体液性 の調整と調節が加わり，統合された総合的な機能を 発揮し，正常性が維持されている。これらのことは 生理学の教科書に詳しく説明されている。