草地の新しい植生調査法（6)ガンマ分布に基づく草量の簡易推定法

摘要

草地植生の地上部現存量(以下，草量）の把握は 草地管理の基本である。数力所の刈り取りを実際に 行うことによる草量推定が一般的と考えられる。一 方，労力を節約し，また頻繁な草地の攪乱を防ぎ， なおかつ広範囲の測定を行うことで正確さを担保 する草量推定法が多数提案されている。例えば,ラ イジングプレートメータや草量計の利用がこれに 当たる。他方，これら従来の非破壊的草量推定法で は，草量推定に先駆けて予備調査が必要である。予 備調査では，何らかの測定器で値を測定した後,同 じ場所で刈り取りを行いサンプルの重量を測定する（ダブルサンプリング）。：これを繰り返し,検量 線を描く （キャリブレーション）ことで非破壊的草 量推定が可能となるが，これに要する労力と時間は 相当な'ものである。