ある乳牛の牧場に発生した慢性的Mg不足に原因する疾病群（3)

摘要

1971年7月末に図6-1に見られるようにCow No.1が血清Caの急激な低下を伴う乳熱に罹った。 1971年8月毎月一度の御幸牧場の牛群の血液を分 析していたところ図9-126)に見られるようなPiの大 きな変動が見られたのでその牛群に何らかの代謝 異常が発生していることが予想された。このときの 血液像の詳細は表1126)に示した。獸医師が診断したところケトージスが多発して おり，尿中アセトンが+++のもの10頭，++5頭，+ が2頭，-が3頭で20頭の牛のほとんどに陽性反応 が見られた。食欲不振，乳量減退などの臨床症状の 見られるもので獣医師がケトージスと判定したも のはその17頭のうち6頭，他はケトン尿症と診断 された。ケトン尿症とは尿中のケトンは陽性である が他の臨床症状は見られない場合である。