三重県農業大学校の特長（2）

摘要

優れた農業経営者等の養成を図ることを目的にした養成科（本科）は，2年課程と1年課程を設けている。定員はそれぞれ30名，10名である。入校生の状況として，2年課程では年度によっては多少バラツキがあるものの，定員をほぼ満たす入校生がある（表1）。これは，農業高校を中心として，優秀な学生を確保するために設けた指定校推薦制度，職員の高校訪問（年4回），体験入校の実施等の成果である。出身学校の内訳をみると，入校生の半数から3分の2が農業高校からの進学者である。また，大卒以上の学歴を持った者が毎年若干名含まれている。彼らは最終学校卒業後すぐに農業大学校へ入校したというのではなく，卒業後数年間，他産業で働いた後，農業を志した者が多い。全体的に農業専業的な農家出身者は少なく，むしろ非農家出身者が増加する傾向にある。専攻コースとしては，水田作，野菜，花きの各コースに人気が集中しているが，畜産コースに漸増の傾向が見られる。茶業コースや果樹コースを専攻する学生は，栽培管理技術や農産物生産施設の特殊性から希望者が少ないが，優秀な指導職員の確保と充実した教育内容により学生の希望者が絶えたことはない。平成20年度は2年課程29名，1年課程4名の入校があった。2年課程29名のうち，17名は農業高校の出身，11名は農業以外高校出身，1名は大卒である。1年課程の入校生は，高学歴で他産業で長く活躍した後の第二の職業を農業に求めた者が多い。