畜産施設の踏み込み消毒槽と衣服噴霧消毒の－評価」

摘要

鳥インフルエンザなどの悪性伝染病の発生だけでなく常在性感染症の侵入防止等に備えて，近年，バイオセキュリティの意識が高まり，畜産農場や畜産関連施設における踏み込み消毒槽や衣服噴霧用の電動噴霧器の普及が目覚しいが，その効果をどこまで信頼してよいかには問題がある。 筆者は，先年，ブロイラー養鶏場の鶏舎作業員のゴム長靴を対象に踏み込み消毒槽の効果を検討した（畜産の研究47（7）’：784－788，1993）。 その結果は，30秒間の踏み込み消毒では，オルソ剤100倍液では26．5％，逆性石鹸100倍液では43．5％，ブラシ洗いをしても両剤とも90％には達しなかった。 ただし，この場合は，鶏舎作業員の鶏糞と泥汚れの付着したゴム長靴であった。 汚れの付いていない靴ならどうか。 つまり，訪問者の普通の靴（非作業靴）を対象にする場合を想定して，今回の実験を行った。