産業動物における抗ストレス用薬の必要性とその応用（93）－畜産と衛生に役立つ薬剤の正しい使い方Ⅲ－

摘要

序文に述べたように，近年，医学および獣医，畜産学領域における，抗生物質の新作用が見出され，その機序に関する研究は，むしろ後者における経済的事情による，実地応用からサイトカインの分泌調整作用が先行し，近年では医学分野でむしろ研究が盛んである。 そしてその鉾先は，抗菌活性以外の生理作用に向けられている。 一方，獣医畜産領域では，経済的事情による準治療的応用効果が，抗ストレス効果を発揮し，その本態がサイトカインの分泌調整作用にあることが，つきとめられて，抗菌活性が副的効果として捕えられるに至っている。