造成地における法面侵食防止対策の検討

摘要

この報文は，平成9年度に東北農政局郡山東部開拓建設事業所から当会に委託された「平成9年度郡山東部開拓建設事業畑地かんがい調査検討業務」の報告書から許可を得て，抜粋し掲載するものである。 平成7年度，平成8年度の調査では，主として造成地における法面の侵食状況の把握とその対策について検討を行った。 ここで得られた結果をまとめると以下の通りである。 平成7年度は，法面の現況調査を中山こ行った。①本地区の地盤は，風化花崗岩のマサ土で　 構成されているために雨水に対する抵抗力が小さく，表面侵食が起こり易い。 ②特に造成の初期の裸地法面では侵食作用が激しく，中には法面崩壊に至っている所も見られる。 ③植生被覆を施した法面は雨水に対する抵抗力が大きい。 植生工は法面保護対策として有効である。④湧水のある盛土法面では地すべり発生の危険性が高い。 平成8年度は，法面保護のための植生被覆の現況調査を行い，現状の問題点と今後の対応について検討した。