畑地植生の特徴とその管理(6): 畑雑草の種類と生態

摘要

植物は生育する環境に反応しながらその形 態や機能を変えていきます。デンマークの植物学者であるラウンケアは1907年にある環境 に適応してきた植物群には一定の生態や形態 的特徴を有するだろうとの考えから、植物の 休眠型や繁殖様式、生育型などに着目して「生 活型（lifeform)」という概念を提唱し、植物 の形態等を通じ、その生育環境を把握しょう と考えました。生活型は、マクロの環境反応だ けでなく、草刈りや耕うんなど人為的なミク 口な攪乱に対しても、成立する雑草群落の特 徴をよく表すため、沼田ら（1968)はわが国に 見られる雑草各種の生活型についても整理し ました。すなわち、雑草は、1)休眠型、2) 地下器官型、3)散布器官型、4)生育型、の 4つの様式から類型でき、雑草群落の組成を 生活型から眺めると、その群落がどのような 攪乱環境下で成立しているのかをある程度推 察することが可能となります。以下に、この生 活型についての具体的に解説していきます。