連作条件下における黒大豆の生育と土壌生物性の変化

摘要

京都府と，それに隣接する兵庫県にかけて広がる丹波地方では，古くから丹波黒大豆と呼ばれるダイズの在来系統が栽培されている。 このダイズは極晩生の品種群に属し，草姿が大きいこと，子実が黒色，極大顆で球形を室していること，煮豆加工適性に優れ良食味であることが特徴である。また最近では，機能性成分を多く含むことが明らかにされて注目を集めており，需要の拡大に伴って栽培面積は近畿、中国地方で増加している。 京都府内では，この丹波地方を中心に約450haが主に水田転換畑で栽培されている（2003年）が，1980年代の半ばを境に子実収量が低下傾向にあることが問題となっている。 以前は150kg 10a~(-1)を超えていた平均収量が，最近では100kg 10a~(-1)を下回る産地も多い（図1）。