EV普及が日米欧で進まずブームは一時休止--既存3社は大幅増強し中韓の民生用LIBに原料供給

摘要

各種リチウム製品の出発原料にも使われる炭酸リチウム（Li）は，電気白動車（EV）の早期普及への期待がしぼみ，爆発的な市場拡大を見越じた新規開発が相次ぐ「リチウムブーム」は休止状態に入った。これまでEVは太陽電池や風力発電など再生可能エネルギーの普及とともに環境負荷低減の要として位置づけられ，日本やアメリカ，ヨーロッパなどの政府が普及を後押ししてきた。だが，11年煩からヨーロッパの財政危機やアメリカのシュール革命などの影響でEV支援策への関心が薄れている。EVの販売台数は価格や航続距離，充電時間，インフラの未整備などを理由に期待ほど伸びでおらず，早期普及が難しくなっても、る。一方，EV向けのリチウムイオン2次電池（LIB）、の需要拡大を見込み，新規プロジェクトが相次ぎ，塩湖のかん水を原料にする既存生産者も生産能力を増強しできた。だが，昨年からは多くの新規プロジェクトが停滞し，今後も既存生産者が相場の主導権を握るとみられている。