軽希土の磁性関連材料が原料問題で値上り続く

摘要

金属のレアアース価格は輸出関税の導入などで，今年5月下旬から大幅な値上りをみせている（既報6月16日号，7月1日号）。 特に値上りが激しい品目は金属ネオジム（以下Nd），プラセオジム（同Pr），ジジム（同Di。 NdとPrを主成分とする混合物）といった軽希土類の磁性関連材料で，需要面でも日本と中国の磁石生産が拡大し，需給のタイト感が強まっている。 これまでは豊富な埋蔵量を誇る内モンゴル包頭や四川省が十分な鉱石を供給してきたが，輸出規制や環境規制の強化，寡占的な国有企業による資源管理といった中国政府の政策が影響し，軽希土の磁性関連材料の値上りが続いている。 その一方で，重希土の磁性関連材料は昨年8月以降大きな値上りがなく，輸出関税の導入でようやく値上りした状況で，同じ磁性関連材料でも軽希土と重希土で大きな差が生じている。