国際度量衡局の現状について

摘要

筆者はさる6月、国際度量衡委員に選出された。国際度量衡委員会は、メートル条約における加盟国議決機関「国際度量衡総会」の決定事項に関する執行機関であり、国際度量衡局の理事機関でもある。また、メートル条約に関わるスポークスパーソン的な役割も期待されている。そこでこの機会に本稿をお借りし、国際度量衡局の現状についてご紹介したい。本誌読者におかれては国際度量衡局の存在はご存じでも、訪問や技術的なやりとりの機会は少ない方が多いと思われる。これは国際度量衡局の直接の対応先が、メートル条約加盟国の計量行政当局および計量標準機関に限られるためである。しかし、国際度量衡局について論じることは、すなわち各国計量標準機関の位置づけについて論じることであり、ひいてはトレーサビリティー体系や校正機関のあり方についても論じることになる。本誌読者にとっても益するところがあると信じて拙文にお付き合い願いたい。