DDS製品開発の最前線[連載17]リノコートパウダースプレー鼻用25mug粘膜付着性をもったドライパウダー鼻噴霧用ステロイド薬

摘要

リノコ一トは，鼻噴霧用ステロイド薬として1986年に鼻タ一ゲティング療法を揭げたドライバウダ一剤として発売された.その特徴は，基剤にHPCを用いたことによるところが大きく，薬効成分であるべクロメタゾンプロピオン酸エステル（以下BDP)の抗炎症効果をベースに.①粘膜付着性， ②被覆保護性，③局所徐放性の三つの効果を加えたことにある.リノコートは，このHPCを加えることにより，BDPをより効率的に局所粘膜に届け，BDPを用いた他剤に比し，その用量を1/4に低用量化することを実現した.一方，製剤的特徴を生かすためのデバイスについても，カプセル充填型(1986年)，マルチドーズ型(2003年），そして，さらには残量表示を加えたカウンタ一搭載型(2010年）と，患者志向のアドヒァランスの向上を図り，デバイスの改良を進めている.