飼料用稲の開発と利用

摘要

我が国では1人当たりの米の消費量が年々減少した結果、全国の水田（約239万ha）の約6割の作付面積で米の需要は賄える状況になってきた。食料自給率の維持、向上を図るためには、残り4割の余剰水田を最大限活用する必要がある。余剰水田では、自給率の低い麦、大豆、飼料作物への生産転換といった従来からの取り組みに加えて、米粉や飼料用米等の新たな需要に対応した取り組みを推進し、食料の安定供給体制を整備していく必要があるものと思われる。ここでは、近年普及面横拡大が著しい飼料用稲の開発と利用の現状について紹介する。