新海軍の巡洋艦

摘要

1883年に始まった近代米海軍（ニュー•ネービー）による，鋼製艦艇整備の中核をなしたのは防護巡洋艦の建造で，一部初期の艦には英アームストロング社の設計を導入していた。当時の米巡洋艦の主任務は敵海上交通の破壊と自国海上交通保護とされ，1896年までに防護巡洋艦が1883年計画の3隻を皮切りに大小13隻，仏海軍に倣った装甲巡洋艦（長さを局限した舷側装甲帯を有し大型防護巡洋艦に近い）が2隻建造され，他に海外警備用の小型非防護巡洋艦3隻も整備した。また米西戦争の直前には外国から防護巡洋艦2隻を購入増備している。これらの米巡洋艦群は，来西戦争において建造当初の想定主任務とは異なる様式の戦闘で活躍し，勝利に貢献した。第1部では，ニュー•ネービー発足から米西戦争終了直後の1900年までの期間に就役した，14艦型20集の各種巡洋艦が収録，掲載対象である。