8艦8機体制とHSS-2Bの開発

摘要

3次防(昭和42〜47年度)で建造された，HS 3機を搭載するDDH"はるな"が昭和48年2月に就役し，同49年11月の"ひえい"の就役をもって51隊を新編，1群に編入された。この新たな編制(1群の近代化)は護艦隊にとって当時の性能向上型在来潜水艦と少数の原子力潜水艦(ともに魚雷攻撃主，対艦ミサイル攻撃従)に対して，護衛艦とHSのチームによる有効な対潜戦を可能ならしめる護群編成の第一歩となった。本構想はDDH 2隻，搭載HS 6機に加え，護群の部隊防空用としてDDG 1隻，対潜主任務護衛艦としてDD 5隻，計護衛艦8隻，HS 6機をもって護群を編成する8艦6機体制といわれるものである(既述)。この後，4次防計画による"しらね"型DDH 2隻の就役に伴い8艦6機体制をもってする2個目の群の近代化が概成したものの，残る2個群は近代化のメドさえついていない状態であった。拙論でいう「概成」の意味は，DDH等各艦種の配備数も統一された均質な護群の編制ではなく，DDH 2隻(HS 6機)で編制された護衛隊が1,2群に各1隊編成されたということであり，実際の部隊編制は後の8艦8機体制ほど確固たるものではなかった。一例として"くらま"就役•52隊編成当日の昭和56年3月27日時点の護艦隊の編制を下の表に示す。