景気拡大局面がさらに続きそうな2018年の日本経済

摘要

毎年師走になると、「来年の日本はこうなる、世界はこうなる」といつた話題が各種メディアを賑わせる。ま た、著名なシンクタンクも相次いで次年度の経済見通しを発表する。そうしたシンクタンクの一つ、富士通総研はこのほど2017年度の実質経済成長率が+1.6%、18年度は+1.2%になるとの予測を発表した。まず総 論として「世界経済は成長の勢いを増し、G20すべての国•地域がプラス成長になる見込みで、経済の懸念事 項が少ない状態にある。米欧では成長が持続しており、金融政策正常化への道筋が確かなものとなりつつあ る」と分析。わが国についても「日本経済は回復が続き、拡大期間はすでにバブル景気を抜いた。世界経済が回 復の勢いを増す中、輸出が伸び、消費や設備投資など内需の足取りもしっかりとしつつある。株高で消費マ ィンドがさらに改善し、省力化を目指す投資も活発化している。労働需給のさらなる逼迫を受け、賃金も緩 やかに上昇し、2018年度の春季賃上げ率は17年度を明確に上回ると見込まれる。先行きの物価上昇期待も持 ち直し、消費者物価も緩やかに上昇していくと予想される。インフレ圧力は高くないことから、景気拡大は さらに長期化する様相を呈している」と良いことずくめの予測である。残念ながら紙パ業界にいると、そうし た好景気•好循環をなかなか実感できないが、GDPとの相関性がまだ残る板紙•パッケージ関連については輸 出も含め引き続き堅調を維持するとみてよいようだ。