苦戦を強いられた印刷業界の2020年度業績コロナ禍でデジタル媒体への移行加速

摘要

印刷関連企業の2020年度決算がほぼ出そろった。新型コロナウイルス感染症の影響で苦戦を強いられているのは製紙や紙加工企業と同様で、それは決算数値にも現れている。本誌が集計した印刷関連企業21社の単純合算業績をみると、売上高は前年度比△3.4%の3兆3,324億円、営業利益は同+2.6%の1,187億円(利益率3.56%)、経常利益は+5.6%の1,314億円、当期純利益は△20.8%の1,148億円と、売上高と当期益で前年度を下回った。コロナ禍で一段と進hだ、紙からデジタル媒体へのシフトなどが大きく影響しているが、一方で高付加価値商品の取り込みやコスト削減効果などのほか、成長分野への積極的な施策で一定の収益を維持·確保する動きもみられた。