〈対売上高比率は5%台に回復…〉3期ぶりに前年実績を上回った紙加工関連業界の設備投資額

摘要

紙加工関連企業27社の2020年度設備投資額は前年比19.4%増の1,599億円(昨年1,339億円)となり、過去2期連続で前年実績を下回ってきた状況から好転した。対売上高比率も前年から0.91ボイント(pt)上昇し、5.28%と5%台に戻した——3月期決算企業を中心とする各社の有価証券報告書から設備投資の実縝を抽出した結果である。ちなみに同じ27社の20年度業績は売上高が前年比1.2%減の3兆302億円、経常利益が同12.3%増の2,319億円、利益率は同0.92pt増の7.65%と減収増益だった。売上高の低調は、新型コロナウィルス感染症拡大によるところが大きいが、利益面をみると大幅な伸びを示した会社もある。その改善したキャッシュフローを背景に、製品品質や生産性の向上、口ジステイクスの整備、包装材料の需要増に伴う生産設備の増設·新設などを主眼に設備投資を実行した会社も散見される。またコロナ禍への対応から、リモート設備の充実や緊急放送用の設備といつた緊急事態に備える動きもみられた。